馬の背を渡る
17日のこと。朝からピカピカに晴れていてなんだかそれだけでとても嬉しかった。衣替えのあれこれをクリーニング屋さんに預けて、身軽になって海辺に向かう。バスに乗って滝を見に行くか、電車に乗って毛越寺の浄土庭園を見にいくか、猊鼻渓で川下りをするか、以前時間がなくて探検しきれなかった海辺に行くか、前日から悩んでいた。楽しい悩みだと思う。ふと思い立って、Twitterのアンケート機能を使ってみた。朝のんびり起きてアンケートをのぞいてみたら、僅差ながらも海辺に多く票が入っていたので、その日は海辺に行くことにした。行き先はいつも自分ひとりで決めるけれど、気が向いた時にはこういうのも楽しいかもしれない。ありがとうございました。
明日は晴れます
— 水辺 (@aomidorinomizu) 2017年5月17日
この間この海に来たのは冬と春の間で、よく晴れた日に、待ち合わせの時間潰しに2時間くらい探検した気がする。その時の探検が想像以上に楽しかったので、今度もっとゆっくり探検したいと思っていた。その時見つけた素敵な磯に行ってみたけれど、藻と泥ででろでろで驚いた。この間とまるで様子が違う。ハッとして調べたところ、ちょうど干潮の時間だった。しばらく泥や藻を見つめて、気を取り直して探検を続ける。
[干潮]
[この間来た時の写真]
県道の横にちょこちょこと奥まった林に入れる道があったので、見つけるたびに寄り道をした。林の中にはスズメバチがいたり毛虫がいたりしたもののわりあい歩きやすい道で、立ち止まると色々な鳥の囀りが聞こえる。名前がわからない鳥が多い。動画を撮ったので、後で囀りをヒントに調べたいなと思っている。気温は高かったものの、海辺の風と木陰のおかげで、そう暑くはなかった。
[素敵な林]
林を抜けては海、戻ってまた別の道から林を抜けては海、というのを何度か繰り返した。中でも馬の背と呼ばれている天然の桟橋が特に見晴らしが良くて、それから風が気持ち良くて、一気に気に入ってしまった。
[馬の背]
高いところが苦手なのでちょっと悩んだけれど、せっかくだからその馬の背を渡ることにした。ひとりで色々なところを探検していると、通れそうもない道を通ったり、自分の背よりはるかに高い防潮堤によじ登ったり、めちゃくちゃな橋を渡ったり、ほんのちょっとだけ無茶をしたくなる。ほんのちょっとの無茶は結構楽しい。痛い目を見るまでやめられない気がする。
渡っている間中ずっと風が強くて緊張した。ゆっくりと馬の背を渡り、馬で言えば頭のあたり、一番奥まで歩く。他に誰もいなかったので、腰掛けておやつを食べた。水辺でゆっくりおやつを食べるのに最近ハマっている。海面が眩しいくらいにキラキラしていた。
その後もひたすら歩いて、小さな山に登って迷子になりかけたり、ハシゴ伝いに磯に降りたり、藤の匂いのする道で藤を探したりとかなり楽しかった。見上げると首が痛くなるほどの大きな木がたくさんあって、人は全然いなくて、いつも仕事をしているところからそう遠いわけでもないのに、落ち着いて散歩ができるとても良い道だった。
[遠くの鷺]
[テプラ]
[藤の予感]
[かわいい新芽]
夜はそのまま街中で飲み会だった。日差しの中4時間くらい歩いてだいぶくたびれていたので、冷たいビールがとてもおいしかった。一日休みで、飲み会までは何をして過ごしていたか尋ねられたけれど、探検のことは話さなかった。弾けるような新緑の林や馬の背から見た美しい海を、誰かに教えたい気持ちとひとりじめにしたい気持ちが半々。Twitterに載せている時点でそれは内緒ではないのだけれどこ。
それから、日付が変わってしまったからもう昨日?18日のこと。寝ている間、とにかくいい夢を見ていた気がする。お酒を飲んで寝たからかもしれない。最近はなんとなく悪夢が多かったので嬉しかった。せっかくだから藤を見に行こうと思っていたのだけれど、結局昼まで部屋でゴロゴロしていた。ビール園に始まり、昼過ぎから夜までずっとお酒を飲んでいた。飲み始めた時間が早かったので、日付が変わる前には帰宅できた。お酒を飲んでいる時はそうでもないのだけれど、自宅に帰ってひとりになると、途端にいろんなことを考え出してしまう。飲み会で聞いたいろんな人の言葉や気持ちを丸呑みしてしまって消化しきれないのだと思う。Twitterに思ったことをぽつぽつと書いては、恥ずかしくなってすぐに消す。この日記はちょっと恥ずかしくても消さないようにしようと思う。さっき誤操作でここまで書いた記事をまるっと消しそうになってひやっとした。酔っ払いながら日記を書くと危ない。
来月か再来月少しやってみたいことがあって、いつものようにひとりふらっと行くか、それとも人を誘うか、少し悩んでいる。10回中1.2回くらい、誰かと水辺に行きたくなる。本当はもう少し頻繁に思うけれど、1.2回くらいがちょうどいいような気がしている。